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典型ケース

中誉が藍貝酒業集団を代理して“缶ビール包装箱”意匠特許権の無効宣告を請求し勝訴。

by:Posted:2018-07-04

中誉威聖が藍貝酒業集団を代理して“缶ビール包装箱”意匠特許権の無効宣告を請求し勝訴。

案件要旨

本件は典型的な意匠特許無効案件であり、ウェブ上の証拠の使用と真実性の認定が問題となった。本件特許の出願日以前に、国内外の市場に長年にわたり流通し公衆一般に知られている商品の特徴的なデザインについて、具体的な図案に示された商品との高度な対応性の検証を行い、これがすでに存在するデザインであるとの事実を確認することができる。

案件の概要

本件の対象は国家知識産権局の2012年12月5日の授権広告による201230394838.5号意匠特許、商品名“缶ビール包装箱(特製ビール)”、出願日2012年8月21日、特許権者甲である。

上記本件意匠特許について、藍貝酒業集団(以下、請求者という)は弊社に特許不服審査委員会へ無効宣告請求を行うことを委託し、いくつかの証拠を提供した。しかし、分析の結果、この証拠では侵害事実の完全な立証に不十分であることが判明した。より証明力を有する証拠を取得するために、代理人は、請求者と十分に協議を行い、多くの業者がアップロードしている“藍帯ビール”(請求者の商品)の関連商品情報のウェブサイト、本件意匠特許と実質的に同一の商品であり、かつその商品のアップロード日時が本件意匠特許出願日より早いことを示す鮮明な写真を収集した。ウェブページ証拠の滅失を防止するために、代理人は請求者に対しこのウェブ証拠について公証をするよう提案し、これを行った。事前の各種証拠の綿密な準備作業を経て、請求者は2013年8月21日に特許不服審査委員会に対し、本件特許が特許法23条1項および3項の規定に違反することを理由に、無効宣告請求を行い、証拠を提出した。

特許不服審査委員会は2013年9月10日に同無効宣告請求を受理し、2014年3月14日に合議パネルを構成し、口頭審理を行った。口頭審理において、特許権者は当該ネット公開証拠の真実性について異議を述べなかった。

案件结果案件の結果

特許不服審査委員会は合議を経て、本案件の事実は明確であるとし、請求者が提出した証拠に基づき、本件意匠の全部無効の審査決定を宣告した。

代理人の分析

本無効案件の勝訴の決め手になったのはウェッブ証拠の集収と提供である。ウェッブサイトの知名度が高くない場合には、ウェブサイトの検索を多く行い、多数のウェブサイトが公開している商品写真情報を提供することによって証明度を強化した方がよい。また、ウェッブ将補については公証を行い証拠の滅失を防止することが望ましい。