(1982年 8月 23日第 5期全国人民代表大会常務委員会第 24回会議で採択 1993年 2月 22日第 7期全国人民代表大会常務委員会第 30回会議「中華人民共和国商標法」改正に関する決定により第 1回改正 2001年 10月 27日第 9期全国人民代表大会常務委員会第 24回会議「中華人民共和国商標法」改正に関する決定により第 2回改正)
目次
第一章総則
第二章商標登録の出願
第三章商標登録の審査及び認可
第四章登録商標の更新、譲渡及び使用許諾第
五章登録商標争議の裁定
第六章商標使用の管理
第七章登録商標専用権の保護第
八章附則
第一章総則
第一条商標管理を強化し、商標専用権を保護し、生産者及び経営者に商品と役務の品質を保証させることを促がし、商標の信用を維持し保護することにより、消費者と生産者及び経営者の利益を保障し、社会主義市場経済の発展を促進することを目的としてこの法律を制定する。
第二条国務院の工商行政管理部門商標局は、全国の商標登録及び管理業務を主管する。
国務院工商行政管理部門は、商標評審委員会を設置し、商標争議に係わる事項の処理に責任を負う。
第三条商標局の審査を経て登録された商標を登録商標という。登録商標は、商品商標、役務商標、団体商標、及び証明商標とからなる。商標登録権者は商標専用権を享有し、この法律の保護を受ける。
この法律にいう団体商標とは、団体、協会又はその他の組織の名義で登録され、当該組織の構成員が商業活動の使用に供し、これを使用する者が当該組織の構成員資格を表示する標章のことを言う。
この法律でいう証明商標とは、監督能力を有する組織の管理下にある特定の商品又は役務に対して使用するものであって、かつ当該組織以外の事業単位又は個人がその商品又は役務について使用し、同商品又は役務の原産地、原材料、製造方法、品質又はその他の特別な品質を証明するために用いる標章をいう。
団体商標、証明商標の登録、管理に関する事項は国務院工商行政管理部門により規定される。
第四条自然人、法人又はその他の組織が、その生産、製造、加工、選定又は販売する
商品について商標専用権を取得する必要がある場合には、商標局に商品の商標登録を出願しなければならない。自然人、法人又はその他の組織が、その提供する役務内容について商標専用権を取得する必要がある場合には、商標局に役務商標の登録を出願しなければならない。この法律の商品商標に関する規定は役務商標に適用する。
第五条二以上の自然人、法人又はその他の組織は、商標局に共同で同一の商標登録を出願し、共同で同商標権を享有、行使することができる。
第六条国が登録商標を使用すべき旨を定めた商品については、商標登録出願をしなければならない。登録が未だ認められていないときは、市場で販売することができない。
第七条商標を使用する者は、その商標を使用する商品の品質に責任を負わなければならない。各クラスの工商行政管理部門は、商標管理によって消費者を欺瞞する行為を禁止しなければならない。
第八条自然人、法人又はその他の組織の商品を他人の商品と区別することができるいかなる視覚的標章(文字、図形、アルファベット、数字、立体的形状及び色彩の組合せ、並びにこれらの要素の組合せを含む)は、全て商標として登録出願することができる。
第九条登録出願にかかる商標は、顕著な特徴を有し、容易に識別でき、かつ他人の先に取得した合法的権利と抵触してはならない。商標権者は「登録商標」又は登録済みの表示を表記する権利を有する。
第十条次に掲げる標章は、商標として使用してはならない。
(一)中華人民共和国の国名、国旗、国章、軍旗、勲章と同一又は類似したもの及び中央国家機関所在地の特定地名又は標章性を有する建築物の名称若しくは図形と同一のもの。
(二)外国の国名、国旗、国章、軍旗と同一又は類似したもの。但し当該国政府の承諾を得ている場合にはこの限りではない。
(三)各国政府よりなる国際組織の名称、旗、徽章と同一又は類似するもの、但し同組織の承諾を得ているもの、又は公衆に誤認を生じさせない場合にはこの限りではない。
(四)管理下での実施が明らかであり、その保証を付与する政府の標章、又は検査印と同一又は類似したもの。但し、その権利の授権を得ている場合にはこの限りではない。
(五)「赤十字」、「赤新月」の名称、標章と同一又は類似したもの。
(六)民族差別扱いの性格を帯びたもの。
(七)誇大に宣伝しかつ欺瞞性を帯びたもの。
(八)社会主義の道徳、風習を害し、又はその他公序良俗に反するもの。
県クラス以上の行政区画の地名又は公知の外国地名は、商標とすることができない。但し、その地名が別の意味を持ち又は団体商標、証明商標の一部とする場合にはこの限りではない。既に地理的表示を利用した商標として登録された商標は、引き続き存続することができる。
第十一条以下に掲げる標章は、商標として登録することができない。
(一)その商品に単に一般的に用いられる名称、図形、記号
(二)単なる商品の品質、主要原材料、効能、用途、重量、数量及びその他の特徴を直接表示したにすぎないもの
(三)顕著な特徴に欠けるもの前項に掲げる標章が、使用により顕著な特徴を有し、かつ容易に識別可能なものとなった場合には、商標として登録することができる。
第十二条立体標章をもって商標出願する場合、単にその商品自体の性質により生じた形状、技術的効果を得るために必然な形状、又はその商品に本質的な価値を備えさせるための形状である場合には、これを登録してはならない。
第十三条同一又は類似の商品について出願した商標が、中国で登録されていない他人の著名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、かつ同著名商標と容易に混同を生じさせる場合には、その登録とその使用を禁止する。
同一又は非類似の商品について出願した商標が、中国で登録されている他人の著名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、かつ公衆を誤認させ、同著名商標権者の利益に損害を与え得る場合には、その登録とその使用を禁止する。
第十四条著名商標の認定には、以下の要素を備えなければならない。
(一)関連公衆の当該商標に対する認知度
(二)当該商標の持続的な使用期間
(三)当該商標のあらゆる宣伝の持続期間、程度及び地理的範囲
(四)当該商標の著名商標としての保護記録
(五)当該商標の著名であることのその他の要因
第十五条授権されていない代理人又は代表者が自らの名義により被代理人又は被代表者の商標について登録出願を行い、また被代理人又は被代表者が異議を申し立てた場合には、その出願を拒絶しかつその使用を禁止する。
第十六条地理的表示を含めた商標は、その商品が同表示に示された地域によるものではなく公衆を誤認させる場合、その登録とその使用を禁止する。但し、既に善意によって登録したものは存続する。
前項にいう地理的表示とは、商品がその地域に由来することを示し、同商品の特定の品質、信用又はその他の特徴が、主に同地域の自然的要素及び人文的要素によって形成されたものの表示をいう。
第十七条外国人又は外国企業が中国に商標登録を出願する場合、その所属国が中華人民共和国と締結した取決め、又は相互に加盟する国際条約、或いは相互主義の原則によって手続きを行うものとする。
第十八条外国人又は外国企業が中国で商標登録を出願し又はその他の商標関連事項を申請する場合、国が認可した商標代理資格を有する代理組織に委託しなければならない。
第二章商標登録の出願
第十九条商標登録を出願するときは、定められた商品分類表に基づき商標を使用する商品類及び商品名を明記しなければならない。
第二十条商標登録出願人は異なる区分の商品について同一の商標を出願する場合には、商品区分表に従い出願をしなければならない。
第二十一条登録商標を同一区分のその他の商品に使用する必要がある場合には、別に登録出願しなければならない。
第二十二条登録商標がその標章を変更する必要がある場合には、新規に登録出願をしなければならない。
第二十三条、登録商標が登録者の名義、住所又はその他の登録事項を変更する必要がある場合には、変更出願をしなければならない。
第二十四条、商標登録出願人は、その商標を外国で初めて登録出願をした日から 6ヶ月以内に中国で同一商品について同一の商標登録出願をする場合には、当該国と中国が締結した取決め又は共同で加盟している国際条約、若しくは相互に承認する優先権の原則に従って、優先権を享受することができる。
前項の規定により優先権を主張する場合には、商標登録を出願するときに書面で主張し、かつ 3ヶ月以内に最初の出願にかかる商標登録出願の願書の副本を提出しなければならない。書面による主張がなく又は期間内に商標登録出願の副本を提出しない場合には?その優先権を主張しないものとみなす。
第二十五条、その商標が中国政府の主催又は承認した国際展示会に出展した商品に最初に使用された場合であって、かつ同商品が出展された日から 6ヶ月以内である場合には、同商標出願人は優先権を享受することができる。
前項規定により、優先権を主張して商標登録を出願するときは、商標登録の願書を提出するときに書面により主張し、かつ3ヶ月以内にその商品が出展された展示会の名称、出展された商品に同商標を使用した証拠、出展期日などの証明書類を提出しなければならない。書面による主張を提出しないか又は期間を満了しても証明書類を提出しない場合には、優先権を主張しないもとみなす。
第二十六条、商標登録出願のために申請する事項と提出した資料は、真実、正確、完全でなければならない。
第三章商標登録の審査及び認可
第二十七条登録出願にかかる商標が、この法律の関係規定を満たすときは、商標局は初歩審定の決定を行い公告する。
第二十八条登録出願にかかる商標が、この法律の関係規定を満たさない、又は他人の同一の商品又は類似の商品について既に登録され又は初歩審定を受けた商標と同一又は類似するときは、商標局は出願を拒絶し公告しない。
第二十九条 2人又は 2人以上の商標登録出願人が、同一の商品又は類似の商品について、同一又は類似の商標登録出願をしたときは、先に出願された商標について初歩審定をし公告する。同日の出願については、先に使用された商標について初歩審定し公告し、他方の出願は拒絶する。
第三十条初歩審定された商標について、その公告の日から 3ヵ月以内に、何人も異議を申し立てることができる。期間を満了しても異議申立がなかった場合、登録を許可し商標登録証を交付し公告する。
第三十一条商標登録の出願は先に存在する他人の権利を侵害してはならない。他人が先に使用している一定の影響力のある商標を不正な手段で登録してはならない。
第三十二条出願を拒絶し公告しない商標については、商標局は商標登録出願人に書面で通知しなければならない。商標登録出願人はこの決定に不服があるときは、通知を受領した日から 15日以内に、商標評審委員会に再審を請求することができる。商標評審委員会は決定を下し、出願人に書面で通知する。
当事者は商標評審委員会の決定に不服がある場合、通知を受領した日から 30日以内に人民法院に訴えを提起することができる。
第三十三条初歩審定され公告された商標に対して異議申立があるときは、商標局は異議申立人及び被異議申立人が陳述する事実及び理由を聴取し、調査をして事実を明らかにした後、決定を下さなければならない。当事者は不服があるときは、通知を受領した日から 15日以内に、商標評審委員会に再審を請求することができる。商標評審委員会は裁定を下し、異議申立人及び被異議申立人に書面で通知する。
当事者は商標評審委員会の裁定に不服がある場合、通知を受領した日から 30日以内に、人民法院に訴えを提起することができる。人民法院は、商標再審段階での相手方当事者に対し第三者として訴訟に参加する旨を通知しなければならない。
第三十四条当事者が法律で定める期限内に商標局の裁定に対して再審を請求しないか、又は商標評審委員会の裁定に対して人民法院に訴えを提起しない場合、裁定は効力を発生する。
裁定により異議が成立しないと決定された場合は、登録を認め商標登録証を発行し公告する。異議が成立すると決定されたときは、登録を認めない。
裁定により異議が成立しないと決定され登録を許可した場合、商標登録出願人が取得する商標専用権の期間は、初歩審定の広告後 3ヶ月が満了した日より起算する。
第三十五条商標登録出願と商標再審請求は、直ちに審査しなければならない。
第三十六条商標登録出願人又は登録人は、商標の出願書類又は登録書類に明らかな誤りを発見した場合、訂正を請求することができる。商標局は法律に基づき、職権の範囲内でそれを訂正し、あわせて当事者に通知する。前項でいう誤記の訂正は、商標の出願書類又は登録書類の実質的な内容を含まない。
第四章登録商標の更新、譲渡及び使用許諾
第三十七条登録商標の有効期間は 10年とし、当該商標の登録日から起算する。
第三十八条登録商標の存続期間が満了し、継続して使用する必要があるときは、期間満了前 6ヵ月以内に更新登録の出願をしなければならない。この期間に出願できないときは、6ヵ月の延長期間を与えることができる。延長期間を満了して出願しないときは、その登録商標を取消す。
毎回の更新登録の有効期間は 10年とする。
更新登録は審査により許可された後、公告される。
第三十九条登録商標を譲渡するときは、譲渡人と譲受人は譲渡契約を締結し、共同して商標局に申請しなければならない。譲受人は使用するその登録商標の商品の品質を保証しなければならない。