(1995年11月2日国家工商行政管理局第37号令にて公布 2002年9月17日の国家工商行政管理総局令第3号に基づき第一次改正 2005年9月26日の国家工商行政管理総局令第20号に基づき第二次改正 2014年5月28日の国家工商行政管理総局令第65号に基づき第三次改正)
第一章 総則
第一条 商標評審手続を規範化するために、『中華人民共和国商標法』(以下「商標
法」という)及び『中華人民共和国商標法実施条例』(以下「実施条例」という)の
規定に基づき、本規則を制定する。
第二条 商標法及び実施条例の規定に基づき、国家工商行政管理総局商標評審委員会(以下「商標評審委員会」という)は、次の各号に掲げる商標評審案件を処理する。
(一)国家工商行政管理総局商標局(以下「商標局」という)の商標登録出願拒絶査定に不服があり、商標法第三十四条の規定に基づいて復審を請求する案件。
(二)商標局の登録拒絶査定に不服があり、商標法第三十五条第三項の規定に基づいて復審を請求する案件。
(三)登録済みの商標に対し、商標法第四十四条第一項、第四十五条第一項の規定に基づいて無効宣告を請求する案件。
(四)商標局の登録商標無効宣告決定に不服があり、商標法第四十四条第二項の規定に基づいて復審を請求する案件。
(五)商標局の登録商標取消決定又は不取消決定に不服があり、商標法第五十四条の規定に基づいて復審を請求する案件。
商標評審手続において、前項第(一)号にいう復審請求商標を「出願商標」と、第(二)号にいう復審請求商標を「被異議商標」と、第(三)号にいう無効宣告請求商標を「紛争商標」と、第(四)、(五)号にいう復審請求商標を「復審商標」と総称する。本規則において、前記商標はいずれも「評審商標」と総称する。
第三条 当事者が商標評審活動に参加する場合、書面又は電子文書により行うことができる。
電子文書による場合の具体的な方法は、商標評審委員会が別途制定する。
第四条 商標評審委員会は、商標評審案件を審理するに当たって書面審理を採用するが、実施条例第六十条の規定に基づいて口頭審理を行う場合は、この限りではない。
口頭審理の具体的な方法は、商標評審委員会が別途制定する。
第五条 商標評審委員会が商標法、実施条例及び本規則に基づいて出した決定、裁定は、書面又は電子文書により関係当事者に送達し、かつその理由を説明しなければならない。
第六条 本規則に別途規定がある場合を除き、商標評審委員会は、商標評審案件を審理するに当たって合議制を採用し、3 名以上奇数の商標評審官が合議体を結成して審理を行う。
合議体が案件を審理するに当たって、多数決の原則に従う。
第七条 当事者又は利害関係人が実施条例第七条の規定に基づいて商標評審官の忌避を申し立てる場合、書面によって行い、その理由を説明しなければならない。
第八条 商標評審期間中に、当事者は法によってその商標権又は商標評審に係る権利を処分する権利を有する。社会公共利益、第三者権利に影響しないことを前提に、
当事者間で自分で又は調停を経て書面にて和解に合意することができる。
当事者が和解に合意した案件については、商標評審委員会は結審することができる
ほか、決定又は裁定を下すこともできる。
第九条 商標評審案件の共同請求人と共有に係る商標の当事者が商標評審事項を行う場合、実施条例第十六条第一項の規定に従い1 名を代表者と指定しなければならない。
代表者が評審に参加する行為は、その代表する当事者に効力が及ぶが、代表者が評審請求を変更、放棄する又は相手当事者の評審請求を認める場合、代表される当事者の書面による授権を受けていなければならない。
商標評審委員会の書類は代表者に送達されなければならない。
第十条 外国人又は外国企業は商標評審事項を行うに当たって、中国に恒常的な住所又は営業所がある場合、法により設立された商標代理機構にそれらの事項の処理を委託することもできれば、直接的に行うこともできる。中国に恒常的な住所又は営業所がない場合、法により設立された商標代理機構にそれらの事項の処理を委託しなければならない。
第十一条 代理権限に変更が生じる、代理関係が解除される又は代理人が変更される場合、当事者は速やかに書面にて商標評審委員会に通知しなければならない。
第十二条 当事者及びその代理人は、その案件に関連する資料の閲覧を申請することができる。
第二章 請求と受理
第十三条 商標評審を請求するには、次の各号に掲げる条件を満たさなければならない。
(一)請求人が適法な主体資格を有すること
(二)法定期限内に提出すること
(三)商標評審委員会の評審範囲に属すること
(四)規定に合致する請求書及び関連資料を法により提出すること
(五)明確な評審請求、事実、理由と法的根拠があること
(六)法により評審費用を納付すること
第十四条 商標評審を請求するには、商標評審委員会に請求書を提出しなければならない。被請求人がいる場合、被請求人の人数に応じた部数の副本を提出しなければならない。評審を受ける商標が譲渡、移転、変更され、商標局に出願したがまだ許可、公告されていない場合、当事者はそれ相応の証明文書を提出しなければならない。商標局の決定書を元に復審を請求する場合、さらに商標局の決定書も添付しなければならない。
第十五条 請求書には、次の各号に掲げる内容を記載しなければならない。
(一)請求人の名称、あて先住所、連絡担当者及び電話番号。評審請求に被請求人がいる場合、被請求人の名称、住所を記載しなければならない。商標代理機構に商標評審事項の処理を委託する場合、さらに商標代理機構の名称、住所、連絡担当者及び電話番も記載しなければならない。
(二)評審商標及びその出願番号又は初歩査定番号、登録番号と同商標を掲載した『商標公告』の号数。
(三)明確な評審請求とその根拠となる事実、理由及び法的根拠。
第十六条 商標評審請求が本規則第十三条第(一)、(二)、(三)、(六)号に規定される条件のいずれかに合致しない場合、商標評審委員会は、それを受理せず、書面にてその旨を請求人に通知し、かつその理由を説明する。
第十七条 商標評審請求が本規則第十三条第(四)、(五)号に規定される条件のいずれかに合致しない、又は実施条例、本規則の規定にしたがって関係証明書類を提出していない、又は補正を要するその他の事情がある場合、商標評審委員会は請求人に補正通知を送付しなければならない。請求人は補正通知を受け取った日から30日以内に補正しなければならない。
補正後も規定を満たさない場合、商標評審委員会はそれを受理せず、書面にてその旨を請求人に通知し、かつその理由を説明する。定めた期限内に補正しなかった場合、実施条例第五十七条の規定により、請求人が評審請求を取り下げたとみなし、商標評審委員会は、書面にて請求人に通知しなければならない。
第十八条 商標評審請求が審査を経て受理条件に合致した場合、商標評審委員会は、30日以内に請求人に「受理通知書」を発送しなければならない。
第十九条 商標評審委員会が既に受理した商標評審請求が次の各号のいずれかに該当する場合、受理条件に合致しないとみなし、実施条例第六十条の規定によりそれを却下しなければならない。
(一)実施条例第六十五条の規定に違反し、請求人は、商標評審請求を取り下げた後、また同一の事実と理由をもって評審請求を再度提出する場合。
(二)実施条例第六十五条の規定に違反し、商標評審委員会が既に下した裁定又は決定について、同一の事実又は理由をもって評審請求を再度提出する場合。
(三)受理条件に合致しないその他の場合。
登録拒絶査定復審手続を経て登録を許可された商標について無効宣告を請求する場合、前項第(二)号の規定を適用しない。
商標評審委員会は商標評審請求を却下する場合、書面にてその旨を請求人に通知し、かつその理由を説明しなければならない。
第二十条 当事者は評審活動に参加するに当たって、相手当事者の人数に応じた部数の請求書、答弁書、尋問意見及び証拠資料副本を提出しなければならない。副本の内容は正本の内容と同一でなければならない。前記要求に合致せずかつ補正後も要求に合致しない場合、第十七条第二項の規定により、その評審請求を受理しないか、又は関連資料を提出していないとみなす。
第二十一条 評審請求に被請求人がいる場合、商標評審委員会は、それを受理した後、速やかに請求書副本及び関係証拠資料を被請求人に送達しなければならない。被請求人は、請求書副本を受け取った日から30 日以内に、商標評審委員会に答弁書及びその副本を提出しなければならない。定めた期限内に答弁しなかった場合、商標評審委員会の評審に影響を及ぼさない。
商標評審委員会が登録拒絶査定復審手続案件を審理する場合、原異議者に参加および意見提出のための通知をしなければならない。原異議者は請求資料を受け取った日から30日以内に商標評審委員会に対し答弁書及びその副本を提出しなければならない。定めた期限内に意見を提出しなかった場合、審理に影響を及ぼさない。
第二十二条 被請求人が答弁に参加する場合および原異議者が登録拒絶査定復審手続に参加する場合には、適法な主体資格を有していなければならない。
商標評審答弁書及び関係証拠資料は、所定の書式と要求にしたがって記入、提示しなければならない。
第二項の規定を満たさない又は補正を要するその他の事情がある場合、商標評審委員会は、被請求人或るいは原異議者に補正通知を出す。被請求人或るいは原異議者は、補正通知を受け取った日から30日以内に補正しなければならない。補正後も規定を満たさない又は法定期限内に補正しなかった場合、答弁しなかったとみなし、商標評審委員会の評審に影響を及ぼさない。
第二十三条 当事者は、評審請求を提出した後又は答弁した後に関係証拠資料を補充する必要がある場合、請求書又は答弁書にその旨を声明し、請求書又は答弁書を提出した日から三カ月以内に一括して提出しなければならない。請求書又は答弁書にその旨を声明しなかった又は期限内に提出しなかった場合、証拠資料の補充を放棄したとみなす。ただし、期間満了後に提出した新しい事実により形成された証拠又はその他の正当な理由がある証拠については、尋問を経て、商標評審委員会はそれを採用することができる。
当事者が法定期限内に提出した証拠資料については、相手当事者がいる場合、商標評審委員会はその証拠資料の副本を相手当事者に送達しなければならない。当事者は証拠資料の副本を受け取った日から30日以内に尋問を行わなければならない。
第二十四条 当事者は、その提出する証拠資料について逐一分類し、番号を付け、目録リストを作成し、証拠資料の出所、証明しようとする具体的な事実について簡潔に説明し、署名の上押印しなければならない。
商標評審委員会は、当事者が提出した証拠資料を受け取った後、目録リストに照らして証拠資料を照合し、担当者が受取書に署名する上、その提出日を明記しなければならない。
第二十五条 当事者名称又はあて先住所等の事項に変更があった場合、速やかに商標評審委員会に通知し、必要に応じてそれ相応の証明書類を提出しなければならない。
第二十六条 商標評審手続において、当事者の商標が譲渡、移転された場合、譲受人又は承継人は、速やかに書面にて「関係主体の地位を受継ぐ」と声明し、その後の評審手続に参加し、それ相応の評審結果に責任を持つ。
書面にて声明しなかったが評審案件の審理に影響しない場合、商標評審委員会は、譲受人又は承継人を当事者として、決定又は裁定を下すことができる。
第三章 審理
第二十七条 商標評審委員会は、商標評審案件を審理するに当たって、合議制を採用する。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合、商標評審官1 名が単独で評審を行うことができる。
(一)商標法第三十条と第三十一条にいう先行商標権利の衝突のみに係る案件であって、評審時に権利衝突が既に取除かれた場合。
(二)取消又は無効宣告を請求された商標が既に専用権を失った場合。
(三)本規則第三十条の規定により結審しなければならない場合。
(四)その他の単独で評審できる案件の場合。
第二十八条 当事者又は利害関係人が実施条例第七条と本規則第七条の規定に基づいて商標評審官に対し忌避を申立てた場合、忌避を申立てられた評審官は、商標評審委員会が忌避するかどうかの決定を下すまで、本案件の審理に参加するのを一時停止しなければならない。
商標評審委員会が決定、裁定を下した後に当事者又は利害関係人の忌避申立を受け取った場合、評審決定、裁定の有効性に影響を及ぼさない。ただし、評審官に確かに回避すべき事情がある場合、商標評審委員会は法により処理しなければならない。
第二十九条 商標評審委員会は、商標評審案件を審理するに当たって、実施条例第五十二条、第五十三条、第五十四条、第五十五条、第五十六条の規定によって審理しなければならない。
第三十条 登録拒絶査定復審手続を経て登録査定決定を受けた商標について、原異議者が商標評審委員会に対し無効宣告を請求した場合、商標評審委員会は別に合議体を構成して審理を行う。
第三十一条 商標法第三十五条第四項、第四十五条第三項および実施条例第十一条第(五)号の規定に基づき、先行権利案件の審理結果を待つ必要がある場合、商標評審委員会は当該商標評審案件の審理をしばらく見合わせる決定をすることができる。
第三十二条 次の各号のいずれかに該当する場合、評審を終了し、結審する。
(一)請求人が死亡した、又は終止した後に相続人がいない、又は相続人が評審権を放棄した場合
(二)請求人が評審請求を取り下げた場合
(三)当事者が自分で又は調停を経て合意して結審できる場合
(四)評審を終了すべきその他の場合。
商標評審委員会は結審する場合、書面にて関係当事者に通知し、その理由を説明しなければならない。
第三十三条 合議体は、案件を審理するに当たって、合議の議事録を作成し、合議体の構成員に署名させなければならない。合議体の構成員に異なる意見がある場合、如実に合議の議事録に記載しなければならない。
審理を経て結審される案件について、商標評審委員会は法により決定、裁定を下す。
第三十四条 商標評審委員会が下す決定、裁定には、次の各号に掲げる内容を記載しなければならない。
(一)当事者の評審請求、紛争の事実、理由と証拠。
(二)決定又は裁定により認定された事実、理由と適用される法的根拠。
(三)決定又は裁定の結論。
(四)当事者が選択できる後続手続及び期限。
(五)決定、裁定を下した日付。
決定、裁定には合議体メンバーが署名する上、商標評審委員会の印を押す。
第三十五条 当事者は商標評審委員会が下した決定、裁定を不服として人民法院に訴訟を提起する場合、人民法院に訴状を提出すると同時に又は遅くとも15日以内に、商標評審委員会にその訴状の副本を送付するか、又は別途書面にて訴状の情報を通知しなければならない。
商標評審委員会が下した初歩査定又は登録査定決定を除き、商標評審委員会は、決定、裁定を下した日から4ヶ月以内に人民法院から応訴通知を受け取らなかった場合、その決定、裁定を執行のために商標局に移送する。
商標評審委員会は当事者の訴状副本又は書面による提訴通知を受け取った日から4ヶ月以内に人民法院から応訴通知を受け取らなかった場合、かかる決定、裁定を執行のために商標局に移送する。
第三十六条 第一審行政訴訟手続において、商標評審決定、裁定に引用された商標が既に先行権利を失ったことで、決定、裁定の事実認定、法律適用が変化した場合、原告が訴訟を取り下げたことを前提に、商標評審委員会は、元の決定又は裁定を撤回し、新しい事実に基づいて、改めて商標評審決定又は裁定を下すことができる。
商標評審決定、裁定が当事者に送達された後、商標評審委員会は、それに記載ミス等実質的でない間違いがあると発見した場合、評審当事者に訂正通知書を送付して記載ミスを訂正することができる。
第三十七条 商標評審決定、裁定が人民法院の発効判決により取消された場合、商標評審委員会は、改めて合議体を結成して、速やかに審理し、再審決定、裁定を下さなければならない。
再審手続において、商標評審委員会は、当事者が新たに提出した評審請求と法的根拠を再審範囲に入れない。当事者が補充として提出した、案件の審理結果に影響しうる証拠を採用することができ、相手当事者がいる場合、尋問のために相手当事者に送達しなければならない。
第四章 証拠規則
第三十八条 当事者は、その提出した評審請求の根拠となる事実又は相手側の評審請求に反駁する根拠となる事実について、証拠を提出してそれを証明する責任がある。
証拠には、書証、物証、視聴覚資料、電子データ、証人証言、鑑定意見、当事者陳述等を含む。
証拠がない又は証拠によって当事者の事実主張を充分に証明できない場合、立証責任のある当事者がその不利な結果を負うものとする。
一方当事者が他方当事者の陳述した案件事実を明確に認めている場合、他方当事者は立証する必要がない。ただし、商標評審委員会は立証する必要があると判断した場合、この限りではない。
当事者が代理人に評審への参加を委託した場合、代理人による承認は当事者による承認とみなす。ただし、特別に授権されていない代理人による事実承認のために、直接に相手側の評審請求を認めることになった場合、この限りではない。当事者がその場に同席していながら、その代理人による承認を否定しなかった場合、当事者による承認とみなす。
第三十九条 次の各号に掲げる事実について、当事者は立証して証明する必要がない。
(一)周知の事実
(二)自然の法則及び定理
(三)法律規定又は既知事実や日常生活における経験則に基づいて、推定できる別の事実
(四)既に人民法院の法的効力が発生した裁判により確認された事実
(五)既に仲裁機構の発効した裁決により確認された事実
(六)既に有効な公証文書により証明された事実
前項(一)、(三)、(四)、(五)、(六)号について、それを覆すのに足りる反対証拠がある場合は、この限りではない。
第四十条 当事者は商標評審委員会に書証を提出する場合、原本、正本及び副本を含む原始文書を提出しなければならない。原始文書の提出が困難である場合、対応する写し、写真、抜粋を提出することができる。関係部門で保管されている原始書証の複製物、コピー又は抄録を提出する場合、出所を明記し、当該部門が間違いないと確認した上押印したものを提出しなければならない。
当事者は商標評審委員会に物証を提出する場合、原物を提出しなければならない。原物の提出が困難である場合、対応する複製物又は当該物証を証明できる写真、録画等その他の証拠を提出することができる。原物の数が多く、同種類の物である場合、そのうちの一部を提出することができる。
一方当事者は他方当事者が提出した書証、物証の複製物、写真、録画等に対し疑義がありそれを裏付ける相応の証拠がある場合、又は商標評審委員会が必要と判断した場合、疑義をもたれた当事者は、関係証拠の原始文書又は公証された写しを提出又は提示しなければならない。
第四十一条 当事者が商標評審委員会に提出した証拠は中華人民共和国以外、又は香港、マカオ、台湾地区で形成されたもので、相手当事者はその証拠の真実性を疑いかつそれを裏付けるそれ相応の証拠がある場合、又は商標評審委員会が必要と判断した場合には、関連規定にしたがってそれ相応の公証認証手続を行わなければならない。
第四十二条 当事者は商標評審委員会に外国語による書証又は外国語による説明資料を提出する場合、中国語訳文を添付しなければならない。中国語訳文を提出しない場合、当該外国語による証拠は提出されなかったとみなす。
相手当事者は訳文の具体的な内容について異議がある場合、異議のある部分の中国語訳文を提出しなければならない。必要な場合、双方当事者が認める組織に全文又は使用される部分又は異議のあった部分の翻訳を委託することができる。
双方当事者が翻訳の委託について合意できなかった場合、商標評審委員会は、専門の翻訳機構を指定し、全文又は使用される部分又は異議のあった部分を翻訳させることができる。翻訳委託に必要な費用は双方当事者が50%ずつ負担するものとする。翻訳費用の支払を拒否した場合、相手側が提出した訳文を認めたとみなす。
第四十三条 単一証拠の証明力の有無及び証明力の強弱については、次の各号に掲げる角度から審査して認定することができる。
(一)証拠は原本?原物であるか、写し、複製物は原本、原物と一致しているか。
(二)証拠は本件事実と関連しているか。
(三)証拠の形式、出所は法律規定に合致しているか。
(四)証拠の内容は真実であるか。
(五)証人又は証拠を提出したものが、当事者と利害関係があるか。
第四十四条 評審官は、案件の全ての証拠について、各証拠の案件事実との関連度、各証拠間の関係等の角度から総合的に審査、判断しなければならない。
相手当事者がいる場合、交換?尋問を経ていない証拠を採用してはならない。
第四十五条 次の各号に掲げる証拠は、単独で案件事実認定の証拠としてはならな
い。
(一)未成年者によるその年齢、知能に相応しくない証言
(二)一方当事者と親族関係、従属関係若しくはその他の密接な関係にある証人による当該当事者に有利な証言、又は一方当事者と不利益な関係にある証人による当該当事者に不利な証言
(三)口頭審理に参加して証言すべきなのに、正当な理由なく参加しなかった証人による証言
(四)改ざんされたかどうかを判断し難い視聴覚資料
(五)原本、原物と照合できない写し又は複製物
(六)一方当事者又は他人に修正された、相手当事者が認めない証拠資料
(七)単独で案件事実認定の根拠とすることができないその他の証拠資料
第四十六条 一方当事者が提出した次の各号に掲げる証拠について、相手当事者が異議を申立てたが反駁できるほどの反対証拠がない場合、商標評審委員会はその証明力を承認しなければならない。
(一)書証原本又は照合を経て書証原本と一致していると確認された写し、写真、副本、抜粋
(二)物証原物又は照合を経て物証原物と一致していると確認された複製物、写真、録画資料等
(三)その他の証拠により裏付けられている、合法的な手段で取得した、疑問点のない視聴覚資料、又は照合を経て視聴覚資料と一致していると確認された複製物
第四十七条 一方当事者が委託した鑑定部門が出した鑑定結果について、相手当事者が反駁できるほどの反対証拠と理由がない場合、その証明力を承認することができる。
第四十八条 一方当事者が提出した証拠について、相手当事者が認めた場合、又はその提出した反対証拠が反駁できるほどのものでない場合には、商標評審委員会はその証明力を承認することができる。
一方当事者が提出した証拠について、相手当事者が異議あって反駁証拠を提出した後、相手当事者が反駁証拠を認めた場合、反駁証拠の証明力を承認することができる。
第四十九条 双方当事者が同一事実についてそれぞれ反対の証拠を提出したが、いずれも相手側の証拠を否定できるほどの根拠がない場合、商標評審委員会は案件の状況を踏まえて、一方の提出した証拠の証明力が明らかに他方の提出した証拠の証明力より大きいかどうかを判断し、証明力が大きい証拠を承認しなければならない。
証拠の証明力を判断できないことで紛争事実の認定が困難な場合、商標評審委員会は、立証責任分担原則により判断しなければならない。
第五十条 評審手続において、当事者が請求書、答弁書、陳述及びその委託代理人の代理人意見の中で認めた自分側に不利な事実、承認した証拠については、商標評審委員会はそれを承認しなければならない。ただし、当事者が翻意しかつそれを覆せるだけの反対証拠を持っている場合は、この限りではない。
第五十一条 商標評審委員会は、同一事実に対する複数証拠の証明力について、次の各号に掲げる原則に基づいて認定することができる。
(一)国家機関及びその他の職能部門が職権により作成した公文書は、他の書証に優先すること。
(二)鑑定結果、保管ファイル及び公証又は登記を受けた書証は、その他の書証、視聴覚資料、証人証言に優先すること。
(三)原本、原物は、写し、複製物に優先すること。
(四)法定鑑定部門の鑑定結果は、その他の鑑定部門の鑑定結果に優先すること。
(五)原始証拠は、伝聞証拠に優先すること。
(六)他人による証言は、当事者と親族関係又はその他の密接な関係にある証人による当該当事者に有利な証言に優先すること。
(七)口頭審理に参加して証言した証人の証言は、口頭審理に参加しなかった証人の証言に優先すること。
(八)種類が異なる、内容が一致する複数の証拠は、単独の証拠に優先すること。
第五章 期間、送達
第五十二条 期間には、法定期間と商標評審委員会が指定する期間を含む。期間は、実施条例第十二条の規定にしたがって計算しなければならない。
第五十三条 当事者が商標評審委員会に提出した文書又は資料の提出日については、手交した場合、手交日を提出日とする。郵送した場合、差出しの消印の日付を提出日とする。消印の日付がはっきり見えない又は消印が無い場合、商標評審委員会が実際に受取った日を提出日とする。ただし、当事者が実際の消印の日付の証拠を提出できる場合、この限りではない。郵便局以外の宅配業者を通じて提出した場合、受け取った日を提出日とする。電子文書方式で提出した場合、商標評審委員会の電子システムが受け取った日を提出日とする。
当事者が商標評審委員会に対し郵送する文書には、書留郵便を用いなければならない。
当事者が商標評審委員会に対し提出する文書には、その文書において商標申請番号、申請人名称を明記しなければならない。提出文書の内容は、書面の方式で提出したものについては、商標評審委員会が保管する記録を基にする。電子文書方式で提出したものについては、商標評審委員会のデータベースの記録を基にする。ただし、当事者が商標評審委員会の保存書類、データベースに誤りがあることを証明する確実な証拠がある場合を除く。
第五十四条 商標評審委員会の各種書類は、郵送、手交、電子文書又はその他の方式によって当事者に送達することができる。電子文書方式で当事者に送達する場合、当事者の同意を経なけらばならない。当事者が商標代理組織に委託した場合、書類が商標代理組織に送達されたのをもって、当事者に送達したとみなす。
商標評審委員会が当事者に送達する各種書類の送達日については、郵送した場合、当事者が受け取った消印の日付を送達日とする。消印の日付がはっきり見えない若しくは消印が無い場合、書類を発送した日より15 日満了をもって当事者に送達したとみなす。但し、当事者が実際に受け取った日を証明できる場合を除く。手交した場合、手交日を送達日とする。電子文書的方式により送達した場合、送信日より15 日満了をもって当事者に送達されたとみなす。上記方式により書類を送達することができない場合、公告をもって当事者に送達することができ、公告を発布した日より30日満了をもって当事者に送達したとみなす。
商標評審委員会が当事者に対し郵送した送達文書が送り戻された後、公告によって送達した場合、後続の文書もすべて公告送達の方式を採用する。但し、当事者が公告送達後、送り先住所を明確に告知した場合を除く。
第五十五条 実施条例第五条第三項の規定に従い、商標評審案件の被請求者又は原異議者が中国に恒常的な住所又は営業所がない外国又は外国企業である場合、評審商標登録請求書に記載された国内受取人が商標評審手続き関連文書を受領する。商標評審委員会が関連法律文書を上記国内受取人に送達したとき、当事者に送達されたものとみなす。
前項の規定にしたがって国内受取人を特定できない場合、商標局原審手続中または最後にその関連商標の請求を行った商標代理機構が商標評審手続における関連法律文書の受け取り転送義務を負う。商標評審委員会は関連法律文書を当該商標代理機構に送達する。
商標代理機構が関連法律文書の送達以前に、すでに国外当事者との商標代理関係を解除している場合、書面で商標評審委員会に関連状況を説明しなければならず、かつ、文書を受け取った日から10日以内に商標評審委員会に返還しなければならない。商標評審委員会は別途これについて送達を行う。
マドリッド国際登録商標は国際事務局が転送する関連書類に係る場合、それ相応の送達証拠を提出しなければならない。提出しなかった場合、書面にて原因を説明し、国際事務局から文書を発送した日から15 日満了をもって送達したとみなす。
上記の方法により送達できない場合、公告により送達する。
第六章 附則
第五十六条 商標評審業務に従事する国家機関職員が職務怠慢、職権濫用、情実にとらわれた不正行為、違法な商標評審行為、当事者からの財物の授受、不正利益の貪り行為を行った場合、法に基づき処分する。
第五十七条 当事者は商標局が2014年5月1日より前に下した商標登録出願拒絶査定を不服として商標評審委員会に復審を請求し、商標評審委員会は2014年5月1日以降(5月1日を含む。以下同じ)に復審決定を下した案件については、改正後の商標法を適用する。
当事者は商標局が2014年5月1日より前に下した異議裁定を不服として商標評審委員会に復審を請求し、商標評審委員会は2014年5月1日以降に審理した案件については、当事者主体資格は改正前の商標法を適用し、その他の手続上の事項及び実体的事項は改正後の商標法を適用する。
既に登録査定された商標について、当事者が2014年5月1日より前に商標評審委員会に異議および複審取消請求を提出し、商標評審委員会は2014年5月1日以降に審理した案件については、相応する手続上の事項については改正後の商標法を適用し、実体的事項は改正前の商標法を適用する。
当事者が2014 年5 月1 日より前に商標評審委員会に提出した商標評審案件については、2014年5月1日よりその審理期限を起算する。
第五十八条 商標評審手続の文書書式については、国家工商行政管理総局が制定し、公布する。
第五十九条 本規則の解釈は、国家工商行政管理総局が行う。
第六十条 本規則は2014年6月1日より施行する。