事案の概要
原告である台湾業者が設立したアウトドア用トランク用品会社は、アウトドア用品市場では比較的高い知名度を有している。2013年10月、原告は弊社側当事者である蘇州のアウトドア装備有限公司の意匠特許権および実用新案特許権侵害を理由に、2件の訴訟を蘇州の中級法院に提起し、法院が被告に対し関係商品の販売と許諾販売の停止ならびに経済損失100万元の賠償を命じる判決を求めた。弊社側当事者の取り扱う関連商品と原告意匠の類似性が高いため、訴訟において不侵害の抗弁や現有技術等の抗弁を主張し勝訴する確率は非常に低かった。このため、特許無効行政手続で原告の上記特許の安定性を攻撃する必要があった。
案件の結果
1、 無効行政手続において、弊社側が請求した本件の二つの特許はすべて無効とされた。
2、 権利侵害訴訟において、原告は2つの訴えを撤回し、弊社側当事者は訴訟において戦うことなく勝利をおさめ、理想的な結果となった。
案件の争点
1、 無効手続におけるネット証拠の真実性の問題。すなわち、どの程度の証拠調べで、‘審査請求委員会はその真実性を認定することができるか。
2、 2001年特許法における外観特許の「国内公開使用」をどのように理解すべきか。
代理人の分析
2件の訴訟に完全勝利はこれに対応した2件の無効手続きがあったからである。この2つの案件の決定的な証拠は、アメリカのウェブ履歴調査ツールを用いて取得した。このウェブツールの権威性を証明するために、証拠調べの過程で、同ツールの評価に関する大量の資料を収集した。上記証拠は今後の類似案件の証拠調べにも非常に有用である。特に、文献証拠の証明力が不足している場合のオプションになり、「公開使用」の証拠収集の困難性を克服することができる。この二つの案件で、審査請求委員会は弊社の提供した重要証拠に興味を示し、「公開使用」の証拠調べで非常に有用であることが分かった。
二つの案件の外観無効手続において「旧法の適用」が弊社側当事者に不利な状況があった。しかし、事前に立法趣旨および修正の経緯について十分に弁論の準備をし、最終的に弊社側にとって有利な結果を勝ち取ることができた。
二つの案件における実用新案無効手続に対し、弊社は一枚の図を使用して相手方の10個のクレームを無効にし、「外観図が単独証拠として発明または実用新案を無効」にする実効性を証明した。
両案件の弊社側当事者は国内業界ランキングのベスト3に入る会社であり、高い市場占有率を有していた。上記、両案件の結果により弊社側当事者は損害賠償による損失を免れただけでなく、“敗訴の場合の発生する同系列の30%の商品すべての棚下げより被る巨額損失”についても免れることができた。